表7 代謝
(ア) ステビアのヒト腸内細菌叢代謝試験 ステビア
(4成分混合サンプル)
計81.2%
1)ヒト腸内細菌叢におけるステビオシドおよびレバウディオシドAの最終代謝産物はステビオールであること、
2)ステビオールについては酸化代謝がそれ以上進行しないこと、
3)混合成分であるステビアでは、ヒト腸内細菌叢におけるレバウディオシドAの代謝は基質単独時よりも遅延する傾向にあることが示唆された。
(イ) ステビオールのin vitro肝代謝試験 ステビオール
99.90%
1)コントロールラット肝S-9とAroclor1254誘導ラット肝S-9の代謝は定性的には同じだが、定量的には異なるパターンを示すこと、
2)ヒトとラットでは肝ミクロソームにおける酸化代謝の定性的なプロフィールにほとんど種差は認められなかったが、活性値はヒトの方がラットに比べて極めて低いことが示唆された。
(ウ) ステビアのラット小腸における吸収性検討in vitro反転腸サック法による吸収性評価― ステビア
(4成分混合サンプル)
計81.2%
ステビアのアグリコン部分であるステビオールはラット小腸より比較的容易に吸収されるが、配糖体4成分の混合系として存在するステビアは吸収されないか、あるいは吸収される可能性は非常に小さいことが示唆された。
(エ) ステビアのラット小腸における吸収性検討―ステビアのラット小腸に経口投与したときの、門脈血漿中ステビオールの分析― ステビア
(4成分混合サンプル)
計90.6%
ステビアまたはステビオールをラットに強制経口投与し血漿中ステビオール濃度を測定した結果、ステビオール投与ではその吸収は速やかかつ良好であった。一方、ステビア投与後のステビオール濃度は投与1時間後まで検出限界未満であったが、2時間後でステビオールが検出され、その後8時間まで経時的に増加した。
この結果は、ステビアが腸内細菌によってステビオールに分解された後吸収されることを示唆していると考えられた。



これまでの知見により、ステビオシドをラットに投与した場合では、腸内細菌叢によってステビオールに代謝されること、ゆっくりと吸収され、腸肝循環後、主に糞便中に排泄されること、主な代謝物はステビオールと糖であること等が示唆されている。



結果より、ラット小腸においては、ステビオシド自体はほとんど吸収されず、腸内細菌叢によってステビオールに代謝された後体内に吸収されると考えられること、また、ヒト腸内細菌叢においてもステビオシドはステビオールに代謝され、それ以上には酸化代謝が進行しないこと、さらにステビオールはヒト肝臓においてほとんど代謝を受けないこと等が示唆された。